2020年の農業センサスでは、雲南市の農家戸数は、2020年で3,256戸であり、全戸数の26.2%で、20年前の2000年の41.6%から大幅に減少している。この間に、大規模化が進展し、5ha以上の農家が、4戸から40戸に増加している。一方、経営耕地面積は、総数1,835haで、20年前の57.0%と大幅に減少している。各農地別では、20年前比、主要農地である田が60.0%、畑48.0%、樹園地28.8%となっており、農業の衰退が顕著にみてとれる。この原因は、経済情勢の変化、人口減少、少子高齢化と後継者不足等様々な要因が考えられるが、それに加えて、イノシシやサル等の鳥獣被害が、農業継続の意欲をそがれている状況になっており、大変危機的な状況であると考えている。
農業問題には、様々な課題があるが、今回は、危機的な状況になっている一つの要因である鳥獣被害とその対策について伺う。
(1)鳥獣被害対策には、「出没抑制対策」と、「侵入防止対策」「捕獲対策」の3つの総合対策が必要と言われている。これらの対策について、市として、どのように考え、どのような取り組みを行っているか伺う。
(2)上記、総合対策の内「捕獲対策」は、加害個体や問題個体の捕獲と、生態系において増えすぎた場合の最終手段と考える。このような観点から、市としては、特にイノシシについて、年間捕獲頭数は、年間何頭くらいが適正と考えているか伺う。
(3)近年、特に小規模農家において、サルの被害が多く、農家の意欲を著しく減退させている。サル被害の対策についてどのように考えているか伺う。
(4)鳥獣害対策は、上記、総合対策が必要で、効果的な成果を上げるためには、地域及び住民への教育訓練が必要と考える。より積極的な教育訓練の取り組みが必要と考えるが、市として現在どのような取り組みを行い、今後の課題をどのように考えているか。
(5)令和6年5月に農林水産省農村振興局より、「鳥獣被害の現状と対策」がホームページにアップされている。この中の「鳥獣被害防止特措法」に基づく「鳥獣被害防止総合対策交付金」の事業があるが、これらの対応はどうしているか伺う。
2024年11月29日の地元紙によると、島根県の2023年の空き家数は、54,600戸と過去最多であり、その内、売却などの使用目的にない物件は、36,300戸で66.5%を占めているという報道がされた。その中で、雲南市の空き家の総戸数は、2,260戸で、使用目的のない物件は、1,660戸となっており、その割合は、島根県の割合より高い73.4%となっている。又、令和3年4月の「第2次雲南市空き家対策基本計画」に記されている、令和10年度の空き家の推計値は、1,850戸となっており、推計以上のペースで空き家が増加している。使用目的のない空き家の放置は、地域の生活環境に悪影響を与え、ご近所迷惑、空き家管理費用の負担、思わぬ損害への負担等、様々なリスクを抱えている。今後も、人口減少、少子高齢化は進行してゆき、若者の価値観も変化しており、ますます空き家は増加してくるものと思われる。
(1)連坦地と農村部、山間部での空き家の傾向とその対策について伺う。
(2)「第2次雲南市空き家対策基本計画」には、「重点地区を定めて対策を講じる」と記されているが、現在、雲南市内において、重点地区はどこが定められており、どのような対策をとっているか伺う。
(3)今後、空き家発生や、特に使用目的のない空き家の発生を抑制するため、どのよう施策を考えているか伺う。なお、それらを抑制することを啓発するため、「固定資産税納税通知書」と一緒にこれらに関するパンフレットを入れたらどうかと思うかいかがか。
コウノトリは、2005年9月に絶滅から再び兵庫県豊岡市で野生復帰が開始され、19年が経過し、現在では、全国に470羽となり、絶滅危惧種から外れる時も見えてきた。一方、雲南市では、2017年から、1組のペアが繁殖活動を行い、8年が経過した。その間、全国へ飛び立った雛は33羽、又、年間30羽以上が飛来し一時的に滞在していると聞いている。これらの事に対して、関係者の皆様の御努力に敬意を表したい。現在、世界で話題になっている、脱炭素社会の構築による地球温暖化防止と同時に、生物多様性が重要であることが叫ばれている。コウノトリは、真に、この生物多様性社会の象徴であり、人類の重要な資源と考えることができる。雲南市では、令和5年3月に「雲南市コウノトリの保護及び共生に関する条例が制定され、1年半が過ぎた。この間に雲南市においては、営巣のための巣塔が合計4塔設置され、その内2塔での営巣が確認された。
(1)コウノトリと共生できる市を継承するために、コウノトリが定着できる環境を広げてゆく事が重要と考えるが、市としてはどのように考えているか伺う。
(2)毎年30羽以上のコウノトリが飛来、滞在しているが、それらが、営巣、繁殖するための巣塔のさらなる設置が必要で、民有地も含めて、市民と共生、又は、すみわけができる適地に立てるべきではないかと思うが、市としてはどのように考えているか伺う。
(3)コウノトリと共生できる社会を構築するため、市民への情報発信がもっと必要と考えるが、市としてはどのように考えているか伺う。
(4)コウノトリという自然の資産を有効に活用して、経済効果も出てくると思うが、その対応について、市は、どのように考えているか伺う。
ご利用について
- この映像配信(映像および音声)は、雲南市議会の公式記録ではありません。公式記録は議会会議録をご覧ください。
- 映像配信を多数の方が同時にご覧になった際に、映像が正しく表示されない場合があります。
- 本サイトで公開している全ての情報について、複製・改変・配布を禁止します。