少子高齢化が進む雲南市、5人に2人が65歳以上の高齢者である。日常生活に潜む危険から身を守り年齢を重ねても住み慣れた地域で安心・安全に暮らせるよう、数点の施策充実を求める。
(1)人生100年時代、高齢になっても働ける内は働かねばならないのが現実で、経済的な人生設計に変化が生じている。高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会を確保するための努力義務が新設された。シニアに配慮した働く環境の整備や工夫が一層必要になる。高齢者が働き易い勤務条件や職場環境の整備について、どの様に企業に働きかけるのか伺う。
(2)高齢運転者の交通事故防止対策について。高齢者による事故割合が高まり、ペダルの踏み間違い等による悲惨な事故が目立つ。高額のASV・先進安全自動車が事故防止に有効だが、購入は負担が大きい。後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置について、65歳以上を対象に国のサポカー補助金が適用される。サポカー補助制度の周知・啓発に併せ、予算枠等で適用されない方に対して、国と同様の後付け装置の補助制度を市独自で導入する考えはないか。
(3)特殊詐欺被害が後を絶たない。被害に遭わない有効な手段は、電話に出ないことと、録音していることを相手に知らせることだ。留守番機能付き電話や自動通話録音装置の普及啓発と共に、後者の貸出しや購入斡旋ができないか、本市の被害防止対策の取組みに併せて伺う。
(4)身元保証代行業者が増え、あくどい業者の存在もはびこっている。一部の心無い業者から利用者を守るために、市として登録制度を創る、或いは、せめて信頼できる業者を紹介できる相談窓口を設置するなどの対策を講じられたいがどうか。
(5)成年後見制度が、介護保険と並び超高齢化社会を支える両輪として動き出した。利用促進に必要なのが地域連携ネットワークの中核を担う中核機関であり、専門職の人材確保など複数自治体との連携が有利な面もある。中核機関設置の進捗状況と取組の広域連携の考え方を伺う。
(6)認知症高齢者が事故を起こした時、介護を担う子ども世帯等が賠償責任を負う可能性がある。こうした不安を軽減するために、自治体が民間の補償を導入し補償する動きが広まっている。本市も、認知症の市民が徘徊中に事故を起こし、賠償責任を求められた時に備え、市が代わって個人賠償責任保険に加入する「認知症高齢者等損害保険加入事業」の導入はできないか。
国のカーボンニュートラル宣言に基づく温室効果ガス削減目標は極めて高く、現行の取組や技
術の延長では到底達成できない。本市も地域特性を最大限に活かした精力的取組が求められる。
(1)本市は、中長期的に如何にして二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指すのか。とりわけ再生可能エネルギーの導入促進と省エネの推進及び吸収源対策について、基本的な考えを伺う。
(2)カーボンニュートラル実現に向けては、自治体行政だけでなく域内の事業者や市民が一体となって取り組むことが必要不可欠で、理解と協力が大前提である。今後、市民や事業者などの環境負荷低減の意識をどう高め、活動を促進していく考えか。
(3)「雲南市脱炭素宣言」については、6月議会以降に先送りとのことである。宣言は、具体的な取組の見通しや市民・事業者の理解と実践など、実態が伴わなければ意味がないと考える。改めて宣言の意義と表明時期について市長の考えと意欲の程を伺う。
(4)実行計画の策定はどのように進めるのか。また、平成30年3月の「第2次環境基本計画」策定時から目標は数段高くなっている。この度、定める脱炭素社会実現に向けた取組を計画に盛り込む必要はないか。