島根原子力発電所2号機は、原子力規制委員会において新規制基準への適合性審査に係る原子炉設置変更許可がなされた。これを受けて島根県と雲南市は10月31日、加茂町ラメールで「島根県原子力発電所に関する説明会」が行われた。雲南市独自としては11月30日から12月7日かけて市内6町で地区別住民説明会が実施される。
11月24日に開催された島根県原子力発電所周辺安全対策協議会終了後、丸山知事は「今後、島根県議会と関係自治体の意向を聞いた上で、島根原子力発電所2号機の再稼働の可否を判断する」と報道関係者に述べている。
島根原子力発電所2号機の再稼働の可否の判断は、市政の当面する喫緊の課題だ。
(1)原発事故のリスクについて
①私は9月議会の一般質問で「福島原発事故の調査、視察に福島県に行くべきだ」と質し市長は「状況が許せば訪れたい」と答弁。10月調査・視察に行かれた。施政方針で「改めて原子力災害を起こしてはならないものだと痛感した」と述べられた。今一度その所感を聞きたい。
②島根原子力発電所2号機は、原子力規制委員会において新規制基準への適合性審査に係る原子炉設置変更許可がなされたが、多くの問題点がある。私は特に新規制基準に新設された「テロ対策」についてどのように対応するのか問うてきた。今回の住民説明会でも同じような問題点が指摘されたようだ。雲南市としてはどのような見解か問う。
③島根原子力発電所2号機は、新規制基準に適合していると判断したが、即、再稼働してもよいということではないと認識しているがどうか問う。
(2)住民避難計画の実効性について
①原子力災害時の避難は、UPZ(5~30Km圏)は屋内避難を行うとなっている。福島原発事故の時の状況からして、住民の皆さんは屋内に留まることなく、いち早く避難を開始されると思うが、どのような認識でいるのか、屋内退避できる体制はできるのか問う。
②放射性物質が放出された場合は、放出後の放射線量の実測値に基づき、必要な地域は、1日程度内の避難か1週間程度内に維持移転等行うとされる。
ア)移転後は広島県の避難先での避難生活を余儀なくされると思うがどの様な見解か。
イ)雲南地域防災計画(原子力災害対策編P24)長期化に備えた動員体制の整備 について「市は、国、県及び関係機関等と連携し、事態が長期化した場合に備え、職員の動員体制をあらかじめ整備しておくものとする」とある。現在の市役所職員体制で確保できるのか。職員の中には、家庭環境からして動員体制に入れない職員がいると思うがどのように考えているか。併せて先日の議員全員協議会で答弁された「自治体支援チーム」の内容について問う。
ウ)雲南地域防災計画(原子力災害対策編P21)要配慮者等の避難誘導・移送体制等の整備「(1)(2)(3)」の進捗状況を問う。
③今回説明されている「雲南市広域避難計画」は避難対策の実効性はないと思う。内閣府の資料「島根地域における原子力防災の取組について」の最後には「地域防災計画・避難計画の整備に『完璧』や『終わり』はなく、今後も訓練等を通じて、国と関係自治体が一体となって継続的に、避難計画の充実・強化に努めていく」とある。私も避難対策は常に充実・強化に努めていくことに異論はないが、再稼働の賛否が問われようとしているとき、こうした無責任な説明は理解できない。今現在の避難計画で稼働しても大丈夫か市長の見解を問う。
(3)私は島根原子力発電所に関する説明を聞いてきたが、説明を受ければ受けるほど、また、雲南地域防災計画(原子力災害対策編)雲南市広域避難計画を読めば読むほど、2号機の再稼働は進めるべきでないと考える。市長は島根原子力発電所2号機の再稼働の可否について総合的に判断していく考えを述べられた。いつごろ判断されるのか問う。
(1)10月に実施された衆議院選挙の重点政策、各政党とも「ジェンダー平等」を掲げ論戦が繰り広げられた。その背景には「ジェンダー・ギャップ指数2021」では156か国中日本は120位と世界最低レベルが続いていることも一つの要因と考える。
雲南市でも「社会全体で取り組むべき最重要課題の一つ」として男女共同参画計画を策定して取り組まれている。現在の取組状況について問う。
(2)12月議会に「ジェンダーの平等を求める人権差別事案の真相解明を求める請願」が出されている。2年前の令和元年の「さくらの会」での出来事である。私はその当時議員ではなかったのでよく理解できないのが現状だ。9月議会での質疑であれば、ジェンダー平等の観点からも事実は究明すべきと考える。市長は、この問題を把握されているのか、今後どのよう対応されていくのか問う。