(1)人口減少対策について
①令和6年(2024年)の目標人口が見直され、33,800人とされたが、設定が低いのではないか。また、2030年、2040年になっても市長の公約に反し、人口減少に歯止めがかかっていないではないか。
②合計特殊出生率を令和6年には1.86に引き上げる目標だが、その方策と実現できるとされる根拠は何か。
③社会増のためには、20代30代の転出を抑制し、Uターンを含む移住推進の施策を強力に展開しなければならないが、他の自治体も同様であり、一体どこに力を入れて、他との差異、優位を図るのか。
以下、人口減少を与件として、次の5つの面から持続可能なまちづくりを問う。
(2)行財政運営
①中期財政計画が示された。基金の取り崩しが続き、実質公債費比率も上昇し、令和8年には15.0%に達する見込みだ。新たなそして必要な行政需要に対応しながら健全財政を堅持できるのか。
②現場を重視した市民目線、市民感覚のきめ細かな行政サービスが求められているが、総合センターのあり方や職員体制(定員管理、専門職、委託、会計年度任用職員など)をどう見直していくのか。
③先般、職員の不祥事が発覚し、処分も行われた。大東町自治振興協議会は合併直前に設立され、基金による運用がされていたようだが、他町にはない組織であり、経緯、内容を明らかにすべきである。監査も数年実施されていないが、今後どうするのか。
(3)社会的共通資本
①自然環境
脱炭素宣言について、実行計画をつくり啓発をしていくだけではダメで、個人、家庭、学校、事業所がそれぞれに実践し、生活様式や暮らし方を変えていかなければならない。時間と労力がかかる取り組みとなるが、どのような見通しか。また、脱プラスチックもあわせて取り組むべきだ。
②社会的インフラストラクチャー
公共交通の最大の課題は、高齢者、障がい者、生徒等の移動手段をいかに確保するかだ。市民バス、だんだんタクシー、乗合バス、スローモビリティなど、利便性を含めてどう最適化していくのか。
③制度資本
制度そのものは改正していくことができるが、それを担う人材をいかに確保していくかがより大きな課題だ。市として医療従事者、介護・福祉従事者、子育て支援に従事する人などをどう確保していく考えか。
(4)人づくり
①子育て支援策は主に保護者の経済的負担軽減と保育サービスの拡充に力を入れてきたが、市長の基本的な考えはどうなのか。公立と民間委託、子育て支援センターのあり方についてどう考えているのか。(例 斐伊保育所、木次子育て支援センター)
②子どもを取り巻く環境において、貧困、いじめ、虐待がなくならなくては、持続可能な成熟した社会とは言えない。市の実態とそれへの取り組みはどうなのか。
(5)産業振興
農林業
①一番の課題は担い手だ。10年後の農業従事者はどうなっているのか。どのような予想のもとでどう対処するのか。
②食料自給率を高め、地産地消を進めなければならないが、食の幸発進推進事業に代わるソフト事業等で進展するのか。
③プレミアムつや姫以外で付加価値のあるものを地産都商するのは結構なことだが、例えば山陽方面で一体何を売るのか。
④市長は、有機農業に対してどのような考え、方針なのか。
⑤市の最重要作物である「米」の価格下落に対して市としてなぜ対策を講じないのか。
⑥林業振興ビジョンの策定は遅まきながらではあるが必要なことである。10年後の市の山の姿や林業はどうなっているのか。
商工業
①中心市街地活性化事業は所期の目的を達成できていない。この成功なくして地域経済の活性化はありえない。市民が待望するものとなるのか。取り組む姿勢と内容及び見通しを示されたい。
②働く場の確保のためには、企業誘致・留置に全力をあげねばならない。造成する神原企業団地が塩漬けにならないよう市長のトップセールスなど、どう取り組み実を結ばせるのか。
③10年後には事業所、商店がかなり減ると予想されるが、がんばっている既存の事業所、商店をどう支えていくのか。
④キャッシュレス、デジタル化推進のため電子地域通貨の導入に取り組むとのことだが、これを地域経済と地域コミュニティの活性化にどう結びつけていくのか。
⑤農商工連携の5つのプロジェクト(スパイス、スイーツの杜、たまご、さくら、山の幸)は中途半端で尻すぼみ状態だ。時間を要してもいいので全国水準の特産品(土産品)をつくるべきだ。
(6)健康・文化
①2025年には団塊の世代800万人が75才以上となる。市長の健康長寿・生涯現役に対する基本的な考え、方針はいかなるものか。
②地域の文化を守り、育むことはもとよりだが、市長が力を入れたいとする文化振興はどのようなものか。