私が小学生の頃、つまり六十数年前のことであるが、学校で、「自分が言いたいことを言う前に、まず自分がすべきことをしなさい」、つまり、権利よりも義務を優先させなさいと言われたことを覚えている。憲法の中には、納税、勤労、就学の三大義務が書かれているが、私が教わった義務は、先ほどの社会や国民全ての人々の幸福のための義務、または道徳としての義務だったものと思われる。
しかし今、学校教育や社会で、道徳について、この権利よりも義務を優先させなさいというようなことは聞いたことがなく、私が幼い頃の道徳と今の道徳は少し変わってきているように思う。現在、学校教育において教えられている道徳は、考え議論する道徳、他人と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を育む、または命を大切にする心や善悪の判断を学ぶとある。これらは、今増加している子供たちのいじめや自殺の防止のためのもののように思う。
そこで、質問する。コロナウイルス対策では、何々してくださいとのことしか言えない状況であったが、憲法の基本的人権の中には、人権は公共の福祉という限界が、つまり、社会や他人のことを思いやる心を持つことという意味合いのことも明記され、そして、憲法とは別に、道徳的な考え方として、命を大切にする心や善悪の判断を学ぶ、または考え議論する道徳、そして、自らが言いたいことを言う前にまず自らがやるべきことをやるとの視点が大切であると考える。
各人自らが、コロナ禍の中、何をどうするべきなのかをもっとしっかりと考え、議論する必要があるものと思うが、いかがであろうか。教育長と副市長に問う。
GIGAスク-ルでタブレットを活用した教育が進められているが、これを利用して、一村一品運動ならぬ一人一得意技家庭内学習なるものができないものかと考えてみた。
タブレットを利用して,子供たち一人一人が、またはグル-プが、自分に合った得意技を持てるようにする一人一得意技家庭内学習を行ってはと考える。俳句や囲碁、将棋、けん玉のような、学校教育としてはやりにくいものでも可能であり、それぞれの分野で専門あるいは得意とする方々により、ボランティアの先生として教えていただければと考える。
そうすれば、その得意技の学習に集中することにより、鬱や自傷、そして暴れる子供達は少なくなり、自分に自信がもてるようにもなり、また人としての幅が広がり、人生教育にもつながり、そして家族みんなで行えば家庭の和にもつながる、妙案ではないだろうか。ボランティアの先生方も、子供たちに自分の専門や得意技を伝授できる喜びから、新たな生きがいを持てるものと思う。ぜひ学校側がまとめ役となって、子供たちとボランティアの先生方をマッチングするようにしてはと考える。いかがであろうか、教育部長に問う。